松本の骨董店・三楽(さんがく)の依頼でタンスの改装。
金具類はしっかりしているものの、引き出し前板が桐材では買い手が着かないそうな(僕でも買わない)。
んでもって”改装内容”は、引き出しの前板を桐→欅。
まずは、前板の切断。手前に見えますは付け替える欅の板。
引き戸の板も桐から欅に交換するので、鏡板を取り外す。
途中省略し、何はともあれ欅材に交換完了。
お次は ワイピングステインという方法で欅材に着色塗装。
2液性のウレタンに赤、黒、黄の染料と茶の顔料をミックスし、画面下の試し塗り用の欅材に塗り、色具合を見て希望の色を作ります。
調合した塗料を刷毛で塗り、乾かないうちにウエス(ぼろきれ)できれいに拭き取ります。
こうして塗装も完了(錠前は撮影用にはめてあるだけ)。
錠前や引き手の金具・隅金具は、後日、依頼主の三楽さんにつけてもらいます(出来る所はやってもらう方が安くできますので)。
前板交換&塗装で30,000円。
タンスの裏書きに明治19年2月とあります。
西暦では1886年ゆえ、2006-1886=120。ちょうど120年前に生まれたタンスってことですね。
三楽さんが仲人し、少しは”寿命”が延びるかもしれません。
塗料が余ったので、ちょうど20年前、自分で仕事始めたばかりの時(もちろん、仕事なんてまるでなかったですけどね)に作ったナラのミニベンチもお色直し。
まずはサンダーで傷だらけ、シミだらけだった表面をきれいに。
その後、塗装。
作業していると20年前の事がありありと思い出され胸キュンでした。
いま見てもそれほど悪くないカタチ(我田引水か?)。